ことはみんぐ

演劇、美術、ミステリ、漫画、BL。趣味の雑感。

かもめ 雑感

公演概要

演出:熊林弘高

作:アントン・チェーホフ

出演:満島ひかり田中圭渡辺大地、あめくみちこ、他

https://www.geigeki.jp/performance/theater124/

 

観劇公演

2016年11月20日 マチネ

まつもと市民芸術館

 

注意

  • 何の気遣いもなくネタばれしています。

 

 

これは、とても好きな戯曲だ。なにが起きるわけでもない。いや、たしかに起きることはある。しかし、それはとてもアンニュイで物語の中の人生にはよくありそうなことだ。ラスト、登場人物の一人であり売れない小説家のトレープレフ、コースチャは結局自殺する。話の中盤でも一度自殺未遂をする彼は結局、最後には免れない死を迎える。決して明るい話ではない。ラストのことを考えればとくにそうだ。しかし、このアンニュイな雰囲気の話が私はとても好きだ。

私が読んだ戯曲では、おそらくトレープレフを主人公としてとらえている。しかし、今回のかもめは満島ひかりさんが主演でたしかに満島さん演じるニーナが主役だった。だれに主軸をすえるか戯曲が変わるわけではないがそれだけで主役級の登場人物ならばだれでも主人公の座を得ることができるということがよく解る。

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デスノート Light up the NEW world 雑感

作品概要

監督:佐藤信

脚本:真野勝成

出演:東出昌大池松壮亮藤原竜也、他

 

wwws.warnerbros.co.jp

 

注意

  • 何の気遣いもなくネタばれしています。

 

 

デスノート Light up the NEW world 

すごく面白かった。

私は原作も読んだことがないし、前作の映画もテレビで1、2回みた程度で実はそれほど好きな作品でもなかった。前作に関してはキャストでは月役の藤原竜也さんが好きなのだが、登場人物ではLが好きで月のことはどうしても好きになれない。藤原さんが主演の作品なのでもっときちんと見て好きになれたらいいなとは思うけれど、月のしていることを肯定する気持ちにはやっぱりなれなくて月がもし、犯罪者だけを葬って自分が生き残るために犯罪者ではない人、死に値する罪を犯しながらのうのうと生きているわけではない人の名前を一度もデスノートに書かなかったのなら月にも共感できたかもしれないけどそうではなかったはずなのでどうしても前作の月を主役に据えたデスノートは好きな作品とは言えない。

けれど、続編である今作はとても面白く、そしてとても好きな作品だった。

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鱈々 雑感

公演概要

演出:栗山民也

作:李康白

出演:藤原竜也山本裕典中村ゆり木場勝己

 

hpot.jp

観劇公演

2016年10月15日 ソワレ

天王洲銀河劇場

 

注意

  • 何の気遣いもなくネタばれしています。

 

鱈々

 

簡単なあらすじとしてはジャーンとキームという青年二人が倉庫で運ばれてきては出荷されていく箱を積み降ろしして生活しているところへミス・ダーリンという女性がキームと仲良くなって入り込み、その父親でもある荷物の運搬をしているトラック運転手もずかずか倉庫に入ってくるようになってずっと二人きりの世界だった倉庫が急に外の空気を持ち込まれ、その空気に誘われてキームがミス・ダーリンの妊娠をきっかけにダーリンと結婚するため倉庫を出ていき、ジャーンひとりが倉庫に取り残されるというものだ。

 

見終わった瞬間に浮かんできたのは???というクエスチョンマークだった。

ん?これは、いったいどういう物語だろうか????となった。

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