ことはみんぐ

演劇、美術、ミステリ、漫画、BL。趣味の雑感。

元禄港歌(過去ログ)

公演概要

作:秋元松代

演出:蜷川幸雄

出演:市川猿之助宮沢りえ鈴木杏高橋一生

www.bunkamura.co.jp

観劇公演

2016年2月13日マチネ

シアターBRAVA!

 

以下、2016年2月20日にTwitterにて掲載した観劇レポとなります。

 

 注意

  • 何の気遣いもなくネタばれしています。

 

まだ客席がざわつき、ライトも点いたままのときからざーざーと波の音が響きだした。舞台の幕はたぶん開いてなかった、と思う。緞帳の色とか柄とか全く記憶にないのでほんとに開いてなかったのか自信はないけれど、両端に天井まで伸びて舞台の上部を覆うような大きな椿の木が現れたと思った瞬間があったのでたぶん幕は最初閉じていたのだと思う。椿の木が現れた瞬間、驚いた。そして同時にすごく美しい舞台装置だと思った。でも、ただ美しいだけではない。椿だ。椿といばぼと、ぼと、と花弁だけを散らすのではなく、散るときには花そのもののまま枝から落ちる。それを昔は首を落とすというような表現をし、武家の屋敷では嫌われたなどということも聞くけれど、そんなふうに舞台の椿もぼと、ぼと、と首を落としていくつもいくつも赤い花を散らせていった。この装置による演出のどこか毒々しくどこか不吉な美しさにもとても驚かされ、椿が首を落とす度に気持ちが物語へと引き込まれていった。すごく美しかった。そして美しいものは残酷でもある。

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彩の国シェイクスピアシリーズ第28弾 ヴェニスの商人(過去ログ)

DVD概要

演出:蜷川幸雄

作:ウィリアム・シェイクスピア

訳:松岡和子

出演:市川猿之助中村倫也、横田栄司、高橋克実

 

 

以下、2016年2月8日にTwitterにて掲載したDVD鑑賞レポとなります。

 

 注意

  •  何の気遣いもなくネタばれしています。

 

最初、アントニオ役の高橋克実さんが現れた瞬間、拍手が起こった。そういうところはちょっと歌舞伎っぽいなと思った。もしかすれば、市川猿之助さんの登場と間違えたのかしら、とも思ったけれどどうだろうか。結局、猿之助さんが最初に登場したときも拍手は起こっていたけれど。

横田栄司さんが最初に登場したところ、声が甘くて、この人そういえばこういう声だったな、と思うと同時にちょっとえろいな、と思った。
なんだろう、役柄だろうか。バザーニオは言うなれば二枚目の役に当たる。ヒロイン、ポーシャの相手役だ。ポーシャが褒めちぎる真摯の役だ。褒めちぎられる素敵な真摯として素敵な甘い声で登場するのかもしれない。去年見た同じく喜劇のヴェローナの二紳士に出演していたときは父親の役だったからだろう、色気とはいくらか離れたところにいた。でもこのバザーニオは色気があった。

そしてポーシャがすごく良かった。
すごく可愛い。そしてヴェローナでの月川悠貴さんを思い出させる声をしていた。すごく可愛くてこの人、すごく上手だ。なんだかとてもこなれていた。さらっと娘役をやっている。めっちゃ可愛くて、バザーニオが箱を選ぶシーンでべらべらしゃべりまくるところとかすごく可愛いし、すごく面白くて本当にこの方、中村倫也さんとおっしゃるようだがほんとうにとても上手いしすごくよかった。
ヴェローナのときにヒロインのジュリアをやった溝端淳平くんはものすごく蜷川さんに厳しく指導されたと言っていたけれど、なんだかこの方はさらっと演じられたのでは?と思わせるくらいさらっと可愛く面白く板についていた。
法学者として男装して現れたときもすごく良かった。男装した女性だということをことさら意識させずにさらっと現れてでも可愛くて、せりふも強くて本当に良かった。
娘役すごく似合ってる。

それから、裁判のシーンでポーシャが学者に扮して最初に現れたところで領主と握手をする。その瞬間軽くからだが傾ぐのだけれど、あれもちょっと笑いを誘うシーンなのだと思ったのだけれど観客が笑っていなかったのがちょっと印象に残った。男装した女性だから男性である領主と握手をした瞬間、力の差に思わずよろめいたという見せ方だと思って面白かったのだけど、そういうシーンではなかったのだろうか。

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とりあえず、お父さん②(過去ログ)

観劇公演

2016年1月28日マチネ

東海市芸術劇場 

 

 注意

  • 何の気遣いもなくネタばれしています。
  • 公演概要とストーリーは以下の過去記事を参照してください。

kotohumming.hateblo.jp

 

以下、2016年2月6日にTwitterにて掲載した観劇レポとなります。

 

愛知はまず、席が良かった。
最前でこそなかったけれど、2列18番という2列目のセンターのど真ん中だった。だた、斜め前の人が男性でちょっと下手側、つまりベッドのほうが斜め前の男性の頭で見えにくかったけれど舞台は近かった。
さて、私が萌えポイントをレポしても手抜かりしかないので東京で見たときと愛知で見たときの印象の差から感じたことをとりあえず、したためたい。

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